【メタボ】 2008年、メタボ健診が始まった

メタボ検診では腹囲を測定します。メタボリックシンドロームは内臓脂肪が溜まった状態で、代謝に様々な影響があります。日本では 男性の 24 %、女性の 9 % がメタボです。今回は実際の腹囲の基準と測定方法を紹介します。

ポイント

  • メタボリックシンドローム の 診断基準
  • 腹囲:男性 85cm以上、女性 90cm以上
  • さらに、脂質異常・血圧高値・耐糖能異常 のいずれか2つあれば診断

はじめに

メタボリックシンドロームは、どのような状態なのだろうか?

メタボリックシンドロームという言葉は、2005年 に登場した。それから数年で広く一般にも浸透した。

メタボリックシンドロームとメタボの検索数の推移.png (644×452)
メタボリックシンドローム, と メタボ の検索数 丨 Google Trends

メタボの本体は、内蔵脂肪が貯まることにある。腹囲を測定は、内蔵脂肪の量を推定している。

内臓脂肪が蓄積すると代謝に悪影響があり、いろいろな病気の原因になる。

メタボリックシンドロームの診断基準

メタボリックシンドロームの診断基準
腹部肥満(必須) 腹囲 男性 85cm 以上 女性 90cm 以上
※ 脂質異常 中性脂肪 150 以上 or 
HDLコレステロール 50 未満
※ 血圧高値 130 / 85 以上
※ 空腹時血糖 110 以上

メタボリックシンドロームは腹部肥満に加えて、下段のリスク(※)が3個のうち2つ以上あるときに診断する。

リスク(※)が1つだけの場合、「メタボリックシンドローム予備群」と言われる。

いずれも単体では病気ではないが、リスクが複数ある場合は病気に準じて扱う考え方である。

簡単な診断基準

メタボリックシンドロームの診断基準は簡単で、健診で特別な検査をすることなしに診断することができる。

一方で、簡単なために病気との関連性について劣る問題点もある。

今日はメタボリックシンドロームを定義を紹介する。

メタボリックシンドロームの 定義 と 診断基準

メタボリックシンドローム診断基準検討委員会

松澤佑次 ほか 8学会合同検討委員会

日本内科学会雑誌 第94巻 第4号 ・2005年4月10日

https://www.jstage.jst.go.jp/article/naika1913/94/4/94_4_794/_pdf/-char/ja

腹囲は、立位・軽く息を吐いて・臍の高さ で測定

脂質異常症・高血圧・糖尿病 に対する治療をすでに受けている場合は、それぞれの項目に含める

メタボリックシンドロームの定義の論文の図、男性のウエスト径と内臓脂肪量との関連.PNG (319×327) メタボリックシンドロームの定義の論文の図、女性のウエスト径と内臓脂肪量との関連.PNG (330×321)
出典:
日本内科学会雑誌 第94巻 第4号 ・2005年4月10日

腹囲は内臓脂肪の量を反映している

メタボリックシンドロームの定義の論文の図、内臓脂肪面積とリスクファクター数.png (337×366)
出典:
日本内科学会雑誌 第94巻 第4号 ・2005年4月10日

内臓脂肪が多いと、脂質異常症、高血圧、糖尿病 のリスクが高い

筆者の意見

特定健診と特定保健指導

2005年にメタボリックシンドロームの診断基準が発表されて、2008年 からメタボに着目した特定健診・特定保健指導が始まった。対象は 40歳 ~ 75歳未満 の人で毎年実施されている。

特定健診と特定保健指導の検索数の推移.png (649×449)
特定健診 と 特定保健指導 の検索数 丨 Google Trends

2021年度 の 特定健診・特定保健指導 について、いくつか数字を紹介する。

男性 女性 合計
特定健診受診者数 16,395,114 人 13,845,188 人 30,240,302人
特定保健指導対象者 24.3 % 9.1 % 17.3 %
メタボ該当者 24.6 % 7.2 % 16.6 %
メタボ予備軍 18.1 % 5.8 % 12.5 %
厚生労働省 特定健診・特定保健指導に関するデータ 令和3年度 をもとに作成

メタボリックシンドローム は 全体の 16.6 %、予備軍を合わせると 約 30 % が該当する。

男女比については、男性が女性の3~4倍多い。男性に厳しい診断基準になっている。

この男女比については少し問題があり、それについては次回に触れることにする。

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